認知症の診察・物忘れ外来・入院

認知症とは

認知症とは、記憶力や判断力などの認知機能が病的に低下し、日常生活に支障をきたす状態です。加齢による単なる物忘れとは異なり、進行性であり、治療や支援が必要になります。

認知症の主な種類

認知症の原因となる病気は多数ありますが、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症の3つの病気で、90%以上を占めます。

認知症の進行段階と症状

認知症の初期には物忘れや軽い判断力の低下が見られ、本人や周囲が気づきにくいこともあります。中等度の認知症になると、日時や場所の認識があいまいになり、金銭管理や服薬など日常生活に支障が出始めます。後期には会話や食事、排泄などの基本的な行動にも介助が必要となり、寝たきりとなったり、意思疎通が難しくなることがあります。

家族が最初に気づく症状

家族が最初に気づく認知症の症状には、同じ話を繰り返す、約束を忘れる、財布や鍵などの物をよく失くすといった「物忘れ」があります。また、料理や買い物などの段取りが悪くなる、テレビの内容が理解できなくなる、慣れた道で迷うといった日常生活の変化にも表れます。さらに、元気がなくなったり、趣味や外出への関心が薄れるなど、性格や感情面の変化から気づくことも多く、家族の早期の気づきが診断と治療の第一歩になります。

認知症の行動・心理症状（BPSD）

認知症の行動・心理症状（BPSD）は、認知症に伴って現れる精神的・行動的な変化のことで、徘徊、暴言・暴力、不安、うつ、幻覚、妄想、睡眠障害などが含まれます。これらの症状は本人にとっても家族にとっても大きな負担となることがあり、介護が難しくなる要因の一つです。BPSDは環境の変化や身体の不調によって悪化することがあるため、症状を理解し、薬物療法や環境調整、介護者のサポートを組み合わせて対応することが大切です。これらの症状が強い場合、入院が必要となることもあります。

診断方法

●問診・病歴聴取
物忘れや性格の変化、体の動かしにくさなど、いつからどのような症状が現れているかを伺います。ご家族さまからの情報も参考にします。

●認知機能検査
代表的な認知機能検査には、改訂長谷川式簡易知能評価スケール（HDS-R）があり、30点満点中20点以下の場合には認知症が強く示唆されます。

●画像検査
頭部CT検査やMRI検査による脳萎縮や脳梗塞の評価を行います。

治療法

●薬物治療
ドネペジルなどを用いて症状の進行を遅らせます。副作用の出やすい高齢者には慎重に投与します。

●非薬物療法
生活リズムの調整、リハビリテーション、デイケアの利用など、脳への刺激を大切にします。

入院が必要なケース

以下のような場合には、入院による治療が検討されます、自宅や施設での介護が困難になった場合や、ご家族様が介護に疲れてしまった場合など、お一人で悩まず当院までお電話ください。

●興奮・暴言・暴力が強く介護が困難
●昼夜逆転や徘徊で施設・家庭での生活維持が難しい
●妄想や幻覚が頻繁に出現

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医師からのメッセージ

認知症はご家族さまが一人で悩まず、医療機関や専門職と連携しながら、本人とともによりよい暮らしを作っていくことが大切です。田村病院では、診断・治療・入院まで一貫してサポートいたします。
また、当院の連携医療機関である、あさかクリニックでも認知症の専門的な診断・治療が可能となっております。

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