統合失調症は、脳の情報処理機能に障害が生じることによって、現実と自分の思考や感情の境界が保てなくなる病気です。主に思春期から30代にかけて発症し、日本では人口の約1%がかかるとされています。幻聴や妄想、会話のちぐはぐさ、感情表現の乏しさ、意欲の低下など、心と行動にさまざまな影響を与えるため、早期発見と継続的な治療が重要です。
統合失調症の症状は、大きく以下の3つに分類されます。
分類 | 内容 | 具体例 |
---|---|---|
陽性症状 | 本来は存在しない異常な体験が出現 | 幻聴、被害妄想、思考の混乱 |
陰性症状 | 本来あるべき感情や意欲が失われる | 感情の平坦化、無関心、社会的引きこもり |
認知機能障害 | 記憶や注意、判断力に影響 | 話が飛ぶ、集中できない、整理が難しい |
統合失調症の原因は明確には解明されていませんが、遺伝的要因と環境的要因が複雑に関与していると考えられています。例えば、家族に同じ病気の方がいる場合、発症リスクは高まります。また、強いストレス、思春期の発達、社会的孤立なども引き金となることがあります。
統合失調症の診断は、精神科医が複数の視点から総合的に行います。診断には以下の要素が含まれます。
統合失調症の治療は長期的視点が必要です。主な治療法には以下があります。
●薬物療法
主に抗精神病薬を用い、幻覚や妄想などの症状を抑えることを目的とします。副作用や効果を見ながら、医師が用量を調整します。
●心理社会的支援
認知行動療法、デイケア、作業療法などにより、日常生活や対人関係の改善を図ります。
●家族支援
再発予防のため、家族への情報提供や相談支援も重要です。
●地域連携
訪問看護、就労支援、障害福祉サービスなどを活用して生活を支援します。
統合失調症は一度症状が改善しても、服薬中断や強いストレスで再発する可能性があります。そのため、通院と服薬の継続、日常生活の安定、家族や支援者との協力が不可欠です。当院では再発予防のための生活指導や支援体制も整えております。
田村病院では、精神科専門医による診断と治療を行うとともに、心理士、作業療法士、看護師、ケースワーカーが連携し、患者様とご家族を多方面から支援いたします。入院・外来の両面で支援体制を整えており、安心して治療を受けていただけます。また、当法人のグループホームへ入居されたり、当院のデイケアを利用しながら外来治療を続ける方も大勢おられます。
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